相続税申告後に還付されるケースも?税理士に聞く“見直し”の重要性とは

― 相続税の申告って、一度終えたらそれで完了だと思っている方が多いのではないでしょうか。
でも実は、“見直し”によって税金が還付されるケースもあると聞きました。今回はその実態について、税理士の境内先生にお話を伺います。

申告後でも、相続税が戻ってくる可能性がある?

― まず基本的なところからお伺いします。相続税の申告って、期限が決まっていますよね?

はい、相続税は「相続の開始を知った日の翌日から10カ月以内」に申告・納税する必要があります。
特に地主の方や中小企業の経営者など、基礎控除額を超える資産をお持ちのご家庭は、申告が必要になるケースが多いですね。

― ただ、その申告内容にミスがあると、後から見直すこともできるということですね?

その通りです。実は申告の後でも「更正の請求」という制度を使って、過大に支払った税金を取り戻すことが可能です。
私たちの事務所でも、見直しの結果として、数百万円から最大で5,000万円規模の還付につながった事例もあります。

見落とされがちな“土地の評価”の誤り

― 具体的には、どんなミスや見落としが多いのでしょうか?

圧倒的に多いのが土地評価の誤りです。特に、机上の計算だけで土地の価値を判断してしまっているケースですね。

たとえば…

  • 道路より宅地が高くて、高低差が大きい
  • 側方路線に接していても、実際には使い勝手が悪い
  • 騒音・臭気・日照の悪化などの環境的なマイナス要因がある

こうした要素は、現地調査をすればすぐに分かるものです。

専門家の目で“評価減”のチャンスを逃さない

― なるほど。そうした点は机の上では分からないですよね。

ええ。実際、財産評価基本通達などでも「その利用価値が著しく低下している宅地」については減額補正が可能だと明記されています。
それにも関わらず、実務では現地調査をせずに申告してしまっている例が少なくありません。

― 他に見落とされがちな点はありますか?

「地積規模の大きな宅地」の評価ミスも多いですね。
一定の面積や用途地域などの条件を満たす場合、「規模格差補正率」が適用されて、土地評価が大きく下がる可能性があります。

5,000万円の還付につながった実例も

― 実際に、どれくらいの金額が戻ってきた事例があるんでしょうか?

以前、私たちが対応したケースでは、「地積規模の大きな宅地」として正しく評価されていなかったために、相続税が数千万円も過大に申告されていたんです。
現地調査を行い、再評価のうえで「更正の請求」を税務署に提出し、5,000万円の還付を実現しました。

今からでも見直しは可能。まずは専門家に相談を

― もう申告してしまった人でも、見直せる可能性はあるんですね。

はい。税法上、「更正の請求」は申告期限から5年以内であれば提出可能です。後発的な事情があれば、それを根拠に見直しもできます。

重要なのは、「不安があれば、今からでも遅くない」ということです。医療でセカンドオピニオンを受けるように、税務にもセカンドオピニオンが必要です。

まとめ:後悔しないために、“正しい申告”を確認しよう

― 最後に、読者の方へのメッセージをお願いします。

相続税の申告は人生で何度も経験するものではありません。だからこそ、一度きりの申告でも見直しの余地があることを知っておいてほしいのです。

  • 少しでも納税額に不安がある
  • 顧問税理士から十分な説明がなかった
  • 財産評価に疑問を感じる

そんな場合には、ぜひ他の専門家に相談してみてください。還付に繋がる可能性がありますし、正確な申告が、ご遺族の安心にもつながります。

― 相続税申告は「終わったら終わり」ではないということがよく分かりました。境内先生、本日はありがとうございました!

 

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